月毎よむよむ

月毎の、お話と絵本

12月 唐辛子畑の道

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「唐辛子畑の道」
  文・表紙 夏萩しま

唐辛子畑の横の道を通るとき、僕のことをよく知っているような感じでおじさんが
大きくなりましたねえ
と声をかけた
会ったことがあるような、無いような
それよりも
腰の折れたおじさんは、目からぽろぽろと涙を溢しながら話しかけることが気になった
なぜそんなにたくさん涙が出るの?
ああ、これは折れたところから唐辛子の成分が出ていて、自分で目に沁みるんだよ
それにしても大粒の涙が次々と出てくるのが、とても不思議だった