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3月 連日の恋実

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「連日の恋実」
    詞 ジャケット:Aruzak-Nezon

 


拝啓、初めましてシテ
噂のマイナーコード
再見(ヅァイツェン)、ひと目惚れぼれ
毎度の約束はいらない

最低、言葉にしないで凪いで
見えないことが真実
bye-bye、奥ゆかしさ示唆
意地悪も上滑り見抜いて

どれもがすべて
私に伝わる
フラットして
私の手にのった

拝啓、初めましてシテ
噂のマイナーコード
再見(ヅァイツェン)、ひと目惚れぼれ
毎度の約束はいらない

宇宙の真ん中の量子論
競い合う円環のシマロン
頭脳の真ん中の野生種
雨に濡れた早春のサンシュユ

どれもをすべて
私にくれた
摘みとっては
私の手にのせた


愛愛愛 と言葉はあいまい、埋没
簡単に済ませはしない
谢谢(シエシエ)、胸に満ち満ちる
ありがと。であなたを埋埋埋

 

 

「連日の恋実」は当初、ポップス系のガールズバンドに、ちゃきちゃきと演奏してもらおうと書いたものだ。若くて理屈っぽく、心と体がアンバランスな状態で、恋愛をうまく操縦しようとして逆に思いのままに進まない。ちぐはぐな毎日を、それでも元気よく走っていこうとする女の子たち。そこには、母性と魔性と幼児性とを孕んだ透明な嘘がある。なんとかなるとは思っていない、むしろ何もかもが間違っているのかも。それでも笑いながら日々を走り続けていくことでしか答えは見つからないと、確信しようとするテクニカルな嘘だ。そのリアルを表現するためには、もどかしい遠回りこそが相応しいと感じていた。
 現実の世界で、ことの本質に貼り付けられたタグは過剰になってしまった。その洪水を泳ぎ渡り、ジャングルをかき分けて進むには、野生の勘に頼るしかない。その予感の先でAruzak-Nezonは、おなかグーグースに出会う。日々連なる恋愛の実相を曲にのせるとき、おなかグーグースによってこの詞は遙か高みへと運ばれていった。妖しい光を抱え込んだ闇と、地響きを立てる生命の鼓動、両方を併せ持つ神話の言葉に生まれ変わったのだ。
「シマロン」という楽曲の中で、かつての女の子たちは女神にまで昇り詰めた。荒々しくも清々しい、真理に迫る在り方。嘘は小さくキラキラと後方へ散って消えていった。ショッキングピンクソノシートに足を掛け、自身のレコードをパリパリと食い散らかす、躊躇ない神獣。その目は頼りない現実の未来など見てはいない。

 

 

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 文・イラスト Aruzak-Nezon

 

  【動画はこちら↓↓】

シマロン / おなかグーグース - YouTube

 

 


シマロン / おなかグーグース

詞: aruzak-nezon + 氷見野ハオ
曲/編曲/演奏/うた: 氷見野ハオ (おなかグーグース)

 

愛 嗚呼 忌々 居合 合間 今 云

ai ai mai mai ai ai mai mai
愛 嗚呼 忌々 居合 合間 今 云
ai ai mai mai ai ai mai mai

拝啓 はじめまして シテ 噂のマイナーコード
ヅァイツェン 一目 惚れぼれ 約束は要らない
最低 声にしないで 本当は見えないと 凪いで
バイバイ 奥ゆかしさ 上滑りを見抜いて 示唆

どれも すべて 伝わって フラットして 手に乗って
どれも すべて 伝わって フラットして 手に乗って
宇宙を持った量子論 競い合う 円環のシマロン
頭脳を持った野生種 雨に濡れていてよ 山茱萸

愛 嗚呼 忌々 居合 合間 今 云

拝啓 はじめまして シテ 噂のマイナーコード
ヅァイツェン 一目 惚れぼれ 約束は要らない
アイ マイ 言葉は曖昧 簡単には伝えられない
胸に埋めていてよ 満ちて 征く シィエシィエ

どれも すべて 伝わって フラットして 手に乗って
どれも すべて 伝わって フラットして 手に乗って
宇宙を持った量子論 競い合う 円環のシマロン
頭脳を持った野生種 雨に濡れていてよ 山茱萸

愛 嗚呼 忌々 居合 合間 今 云
ai ai mai mai ai ai mai mai
愛 嗚呼 忌々 居合 合間 今 云
ai ai mai mai ai ai mai mai

どれも すべて 伝わって フラットして 手に乗って
どれも すべて 伝わって フラットして 手に乗って
宇宙を持った量子論 競い合う 円環のシマロン
頭脳を持った野生種 雨に濡れていてよ 山茱萸

愛 嗚呼 忌々 居合 合間 今 云
ai ai mai mai ai ai mai mai
愛 嗚呼 忌々 居合 合間 今 云
ai ai mai mai ai ai mai mai