月毎よむよむ

月毎の、お話と絵本

2月 アイリッシュミストの空

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アイリッシュミストの空」文・表紙 夏萩しま

 


 僕の頭の中は、最近濁っている。またはもやもやと煙っている。または少しとろりと酔っ払っている。なぜかというのははっきりしていて、彼女が僕に対して表現する、多分肝心なキーワードが、僕には理解不能なことが多いからだ。

 例えば、コーヒーにミルクを入れて混ぜるとき、渦巻きがだんだん消えていくと、濃いコーヒー色のコーヒーが、いつの間にかミルクコーヒー色になっている。いつから切り替わったんだろう、そこは気にしなくていいのか、というようなのと同じくらい悩ましい。

 退屈な僕の人生に、何かしらの気がかりを運んでくる。今日もこの視界に少しだけ君が通り過ぎる。いつもなんだか違う人みたいにいろんな顔をして。逃げ出したくなることもある、実際逃げたこともある。でも、なぜかいつのまにか見つかって離れられないでいる。

 アイルランドウヰスキーにクリームをたっぷり。甘くてたくさん飲みすぎて、そんな感じ。もくもくとした曇り空をずっと眺めてる、そんなこの頃。

 

 

 

アイリッシュミストの空」

    詞 Aruzak-Nezon+氷見野ハオ

 

あー
Irish mist to me
Irish mist cheers
嘘つきな君が仕掛けた
あー
Irish mist to me
Irish mist cheers
もう一度きりが繰り返し

空の方が近道だって
この2月の匂いが
すべての始まり


なぞなぞに深まる
Londonの霧
消えて無くなれ
小さなこだわり、バイバイ


見上げたらちょうど
軌道ひくジュラルミンの翼


あー
Irish mist to me
Irish mist cheers
明日またここに咲く花
あー
Irish mist to you
居るはずのない
君がやって来た


クレマの行方追う、Why not?
琥珀の中に渦巻く
ぐるぐるの始まり

切れぎれにまとわる
Doverの波
消えてなくなれ
終わらないサヨナラ、ベイビー

見遥かせばちょうど
煮詰まった空が途切れ
君といた街が見える、ww〜