「共依存メーター」
詞・ジャケット Aruzak-Nezon
ハートが出遅れ低体温
大人のごっこは初期設てーい
落とし所が落とし穴です
時が解決するでしょ、て？
どうにかなりたい訳じゃない
どうにもならないままでいたい
時限恋愛ぶっ壊す
名前つけたら意味が消えーる
持ちつ持たれつの過重力
均衡、即逃げられない、て？
どうにかなりたい訳じゃない
どうにもならないままでいたい
本当の顔は覚えてないーい
共同作夢、ガクガク揺らす微調整
本当の心は見せてないーい
共犯作夢、わかるはずもなく未調整
本当の言葉きいてないーい
競闘作夢、そもそも言葉が疑情勢
このままこのまま、ままでいたい
振り切っちゃ、ダメ、メ、メ、メ、メ
停まっても、ダメ、メ、メ、メ、メ
行ったり来たりで思考を停しーい
どうにもならないままでいたい
どうにもならないままでいたい
リカイフノウデス
オーバーシテマス
リセットシテクダサイ…
このままこのまま…
ガールズバンドにパンチのある曲を歌って欲しくて歌詞を捏ね回すのもシリーズになって来た。もどかしさも本当は味わいがあるのだけれど、この際そんなことぶっちぎって走って！時間がないんだ！と、時間がたっぷりありそうなコたちを殊更に急かしてみせる。
一筋縄ではいかない女の子と男の子の関係性は、どちらかがいつも強力過ぎて、もう一方が駆逐されてしまう。と言っても圧倒的に女の子の方がエネルギー過多で、ナイーブな男の子は恐怖に晒されて逃げ出すのがよくあるパターンで。女の子が、ぐいっと来てほしいときなのに男の子はとりあえず逃げるからね、希望とは反対の展開に内心悲しむ。
苛立つ女子よ、如何せん、女の子の方がいつも一歩早いのだよ、思考も、体験も、理解も、再起動も。寛容になって樹の周りをもう一回りして来たら、男の子ももう少し大人になっているだろう。そしてもし、更にもう一回り待てるのであれば、理想の大人になってくれている可能性は高まる。
ただ、女の子の不安も同じペースで高まるね。ピュアで幼い初々しい自分で見つけられたいのに、そんなに待ったらどうなってしまうの？と。見た目ではわからない(ようにしている)けれど、焦っているの(を知られたくないの)は女の子の方で、それを見透かされないように振る舞わなければと自分を縛ってしまう。ああ、どうして自分のままじゃいけないの？て。
いえいえ、自分のままでいいのですよ。正面から素直に向き合えば、お互いの凸凹がよくわかって、ぴったりピースが噛み合うときがある。時間をかけてね、じっくりと検証(ここで言う時間とは非常に濃くて短い)。釣り合わせたいのは、ずっと一緒にいたいから(ずっと？)よね。交互に成長しながらでも釣り合っていられるのですよ、シーソーに乗って見つめ合ってる限り、降りなければそれは続く。上がったり下がったりお互いにやってればいい。ほんの何年か(気分で言えばほんの数秒)。そのために必要なんですね、「その時期の二人にとっての」最良のパートナーが。
煽っておいて、じっくり向き合えなどと、矛盾したことを言っているようだが、ここで言う時間は単純に測れない時間だ。だから特別なメーターがいるのです。両極端を併せ持ち、保持していられるのが女の子の底力。自分の可能性に気づいたら向かう所敵なし。包摂という生命力で全ての答えを掴めるのだよ。だからまだまだ止まってはダメ。
恋愛に疑問を持ちながら、少しずつ紐解いてゆく頃、大人にはなりたくない、やり残したことが多過ぎて。でもこれを解いたら大人になってしまうから見ないフリでいくしかない。無限の今を歌い踊る凝縮した女の子の瞬間瞬間を、じりじりと表現したくなるとき、言葉は全部嘘かもしれない、だから聞き捨てていい。心の声だけを聞いて、さあ踊って見せて！笑って見せて！語尾をあげて歌って！キラキラしてるのは本当だよ。
